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ae.ao

天網恢恢

11/11

 

よくある話で田舎に生まれました。

父は町工場が経営するガソリンスタンドを辞め、町工場が経営する小さいショッピングモールの店長をしていました。ショッピングモールの機械を直していて頭に金具が飛んできて4針縫う怪我をした後に、私を中学へ迎えに来ました。保険が下りるのに、保険で金を払うとクビになるから自腹だと言うので私はどうしようもなく、情けない気持ちになりました。

母は保育士で、給料が安いのでいつもお金がないと言いました。幼稚園へ移った同僚のことを羨ましがっていました。昔自分で描いた赤毛のアンの絵を額縁に入れいつまでも飾っているのが、私はみっともなくて嫌でした。

とても良い両親です。

私と姉と歳の離れた弟みんなを元気に育てて、人間の持てる全ての愛だけ注いでくれたと思う。

 

私は女に生まれた事を18歳になるまで非常に悔いていて、うまくおしゃれができなかった。女という生き物が下品でたまらなく嫌でした。

友だちが2人いて、私たちはとても良い関係でした。たくさんのみずみずしい思い出が今も記憶の中で輝きを保ちます。けれど片方は女になって、もう片方は私が女になって、みんなバラバラになってしまいました。みんな女になって、下品でひ弱で健気な生き物になってしまいました。それは悲しい出来事でした。

 

男の子は、入れるだけで良いわけです。人差し指を豆腐かなんか、柔らかいものにつっこんでみたらわかるでしょうが、指は何ともなくても豆腐はもとの形には戻りません。ひどい仕組みです。

 

先に女になったあの子が、チークを入れて私の前に現れた時は、まるでトンカチで頭を殴られた様でした。あのつまらない男の子のためにそうしたのを私は知っていたので。彼女はてっきり私が一番好きと思っていたのに、突然現れたニキビ野郎が彼女の心をすっかり持って行ってしまった。私と現実を繋いでいた何かがバチンと切れたように思いました。

ぶっ飛んでいく私の頭を再び打ったのは、別の男の子でした。そうして私は半ばヤケクソに女になり、今もこうして女でいます。

 

恋なんかろくなもんじゃありません。女の子はすべて捧げるのに、汚れるだけです。だけど男の子の方も、ひどいことをされたりして落ち込むでしょう。しなきゃいいのよ恋なんか。

けれど無くした美しい過去を正当化するために、賭して手に入れたものを大事にしていたいと思います。母が古い絵を額縁に入れて飾るのと同じ。みっともなくて嫌だわ。こうして生きていきます。みんな。