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天網恢恢

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突然心を鷲掴みにする何か、法則性の無い何か、これまで偶然発見出来ただけで、これからはどうかわからないことが不安だ。それは人生に意味とか喜びをもたらしてくれることもあったし、今もただ風に弄ばれるボロ切れのように引っかかりなびくだけで、何も与えないこともある。

一番最初はカタツムリの殻で、家主がおらず白く乾いたやつが無性に好きだった。保育園の近所中探して手の中に握り、帰った。大学で粘土をこねる授業の際、無意識に螺旋状のモニュメントを作った。「フランス人の幽霊」みたいな教授が「螺旋は人間の遺伝子に組み込まれた美の意識なんですね」と囁いて通り過ぎた。

スナメリもそうだ。学生運動、セルリアンブルー、チェルシー・ホテル、セント・ギガ、マグカップの底に溶け残った砂糖、西海岸の夕焼けのような安いラブホテルの壁紙、フラワームーヴメント、ユングニューエイジ思想、とか。

いつか何もかもに情熱がなくなって、肌が水を弾かなくなったらほとんど死ぬだろう。もし、これから何かが見つからなかったらと思うと恐ろしく、デタラメな何かを考えずにいられない。