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オーケー、ボーイズ&ガールズ

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野暮な看板は朽ちて記憶の景色となり、鶏頭、百日草、古い墓。掻き分けて進むと空き地。

 

鳥もいない。虫もいない。乾いた土。掘り起こせば湿っている。ここに住むことのできるやつはいない。1人もいない。

 

ナイター中継とエアコンのカビ臭さ、沸き立つ杉林の湿気が夜に溶け込んで、外は暗い。死んだ雛の星、ギチギチ鳴く虫。子ども。火薬の匂い。

 

やはり何もいない。雪の積もる音。錆びついた非常鐘。踏切。夜更け、貨物列車が幽霊のように通る。海のある街へ行くのだ。

 

僕の心が君に嘘をついたことは一度もない。僕は得体の知れない空き地もろとも君たちにやってしまいたい。悪いことかもしれない。その中にはいくつかのねぼけた憎しみがあり、今僕はそれだけが自分の中にある美しさだと思う。