2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧
今すぐに魔法の絨毯が飛んできて君を夜の果てまで連れて行ってくれたらいいのにね。多分肺が凍るくらい冷たい空気が君の頭をスッキリさせて、いつもよりずっと星が眩しく見えて、この退屈な出口のない日々の何かを、あるいは全てを変えてくれるよ。 とはいえ…
僕が牛乳を飲んでいると飼い猫が物欲しそうな顔をして寄ってくるので、水で薄めた牛乳をあげた。二舐めして、もうたくさんとでも言いたげに口の周りを舐め、毛づくろいをした。 そんなことばかりだ。 俺は世の中のことを大体わかっているというような顔の毛…
昨日忘年会を兼ねた女子会に参加させてもらった。みんなかわいくて、洋服なんかはふわふわであんずジャムのような匂いがして、とてもいい気分だった。 彼女たちの話す言葉はラムネ菓子みたいに口の中で溶けて、僕はなんだか頭の中にピンクの霧がかかったよう…
生まれた町へ帰るときは、国道13号線に乗る。もちろん出るときもだ。 僕の通った高校はその国道沿いにあり、道路に沿うように長い廊下で図書室と音楽室を繋いでいる。僕は何度も、ひとりでその廊下を行き来した。何度も。 この町を出てどこかへ行きたいとき…